「へぇ〜え。美幸ちゃんがね。」 「…うん。」 やっぱり岩崎瑠璃のことは言いづらくて,美幸のことから相談することにした。 兄ちゃんは映画のチケットをまじまじと見ている。 「まぁ行くしかないだろ。」 「へっ!?」 あまりにあっさり言うもんだから変な声を出しちまった。 「だってお前,美幸ちゃんの誕生日すっぽかしたんだろ?」 …その通りです。 「だったら美幸ちゃんのお願い聞く権利もあるんじゃない?」 …ですよね。 「美幸ちゃんの気持ちも…わかってやれよ?」 …気持ち??