放課後を告げるチャイムが鳴ったと同時に、教室を出ていく生徒たち。

そんな中、あたしは一人、スマホをいじっていた。

まだ4時にもなってないから、あの教室に行くにはまだ早いよね。


最近ハマっている猫のゲームに癒されながら時間を潰すことにしよう。


と思ったら。


「……須藤?」


「?」


教室の後ろのドアがカラカラと開いて、そんな声が聞こえた。


振り返ると、少し顔を赤くした男子生徒がいた。


見たことない、先輩かな?

ちらっと上靴を見ると、青色。

つまり、先輩だ。

あたしたち2年は黄色で、1年は緑だから。


「なにか用ですか?」


「いや、用……、だな、用がある、ちょっと来てくれ」


ハッキリしない男だなぁ。

あたしのキライなタイプ。


スマホをポケットに入れて、仕方なく先輩の後ろを歩く。


ついたのは、空き教室だった。


先に中に入れられて、ガチャ、と鍵のしまる音が聞こえた気がする。