確かに口から出るのはキツい言葉。

全く言う気はないのに、あまりに照れすぎてうまく本当のことを言えないのだ。

それにしたって限度があるでしょ、と小雪はたまに自分に呆れたりする。


(まぁ、毒舌な私の方が見た目には合ってるんだろうなぁ)


ちら、と、クマのぬいぐるみから視線を外して腕時計を見た。


あぁもうこんな時間だ、帰ってご飯作んなきゃ。


小雪は店を離れ歩き出した。


去り際に「あんなクールな子でもこのぬいぐるみ可愛いって思うんだねぇ~!」という言葉が聞こえたのは知らない振りをして。


また言われた、と小雪は心の片隅で思っていた。


きゅっ、とブレザーのポケットあたりを握ったとき、中で紙が潰れるような音がした。

あぁ、朝の手紙だ、と気づく。


今朝、下駄箱に入っていた手紙。


よくわからないけど、なにか変わりそうな気がして読んだ瞬間に、その教室に行こうと決めていた。



明日はなにか変わるだろうか。