「なんか、春輝くんって思ってたのと違う感じ~」


「そう?」


その言葉を聞いて、まただ、と思った。


付き合った女の子には必ず言われるこの言葉。


『思ってたのと違う』


君は俺をどういう風に思ってたの?

なんて今さら聞かなくたってわかっている。


春輝は物心ついたときから、鈍感だ、察しが悪い、と言われてきた。


ある女の子には、

『大事な記念日なのに、この対応は男として終わってる』


なんて酷いことを言われ、振られたこともある。


「なんかぁ、イケメンだから、もっと対応とか大人な感じかと思ったら案外普通~」


「…」

普通でなにかおかしいのか。


少女漫画の中の"イケメン"と一緒にしないでほしい。


俺は俺なんだから、なんて女の子は聞き入れてくれない。


なんでそう見た目で判断するんだ、と春輝は思っていた。