「さんきゅ」
曉はティナの顔をもう一度見た。
だいぶ顔色がいい。
「っ…」
「曉大丈夫か」
「…あぁ…。ティナを頼む」
千秋は頷き、ティナを抱える。
曉はよたつきながらも千秋の一歩後ろを歩いた。
だいぶ吸われたようだった。
「曉…。あれなんだ?」
千秋が前を見ている。
グラウンドに砂煙を出しながら凄い早さでこちらに来る何か。
「あれは……」
「あーかーつーきィィイイイ!!」
…棗だ。
「どうした、棗。族関係か?」
…それはやばい…。
…今戦える状態じゃないからな。
「ちっ…違うんだ……。とにか来い!………ってどうした?曉」
「吸われた」
「oh…。じゃぁ、生徒会室来いよな!」
棗はさっきほどじゃないが、走って校舎の方に行った。
……。
千秋と顔を見合わせる。
「「生徒会室…?」」

