ハンパイヤ×暴走族 2

 

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ガシャンと鉄の擦れる音がハッキリと聞こえた。

「ティナ!!」




…この声は…曉… 
…この極上の甘い匂いは… 
…ティナの理性を完全に崩壊させる…





「血を…っあぁあっ血をくれっっ…ぅぅっ」

 ティナは鋼色の瞳で暁を見た。 
暁がピクリと肩を揺らす。 




千「チッ…輸血も持ってない。間に合わぬぞ暁…。」 


千秋が曉を見た。






 …言いたいことはわかるが…。 
曉はティナを見た。 




 あの日、初めてバンパイアを見たあの日のように、己の口をふさぐティナ。 



 飲みたい欲望と、仲間の血だからダメと言う理性が働いているのであろうか…。

 曉は、腕を見た。 


噛まれたことのある腕。 
 もう跡は残っていない。




ティナが曉に手を伸ばした。 
 曉は_拒まなかった…。




剥き出しの牙が近づく。 
 ムワンと何かいい匂いがすると感じた。 



 これはティナのフェロモンだ。 
 プツンと首に小さな痛みが走る。 


 熱がそこに集まる。 
 ドクンドクン…。

 熱い…。 
 あぁ…。 
「っはぁっ…」 



曉は小さくて苦しそうな溜め息を漏らす。

「あ…かつき……ご…めんな…さ…」



口元を真っ赤に染めたティナが倒れ込んだ。 





「よほど空腹だったようだな。血が止まらぬ。…曉。我が家に伝わる止血薬だ。使いたまえ」


 
片手にティナの肩を抱え、曉は薬をひとすくいして、塗る。