それから俺たちは、昼ごはんを食べてから映画館についた。 映画館は予想以上に混んでいて、小さい海菜実ちゃんは見失ってしまいそうなくらいだ。 「海菜実ちゃん、手」 「え……手……?」 訳が分からなさそうに出した、白くて小さい海菜実ちゃんの手を俺は優しく握った。 「っ………」 「迷子になったら困るからね」 「うんっ………」 あーかわいい。 一生この手を離したくなくなるくらい。