私は膝に手をつき、荒く息をした。 ここは誰もいない公園。 ゆっくりと歩き、ベンチに腰掛けた。 もう大丈夫だろう。 私は肩で息をしながら、男にもらった紙を見た。 私は監禁されていたが、国語辞書など何回も読み直したので言葉くらいならわかる。 ここは公園…あ…もうすこしで目的地だわ。 『…綺麗』 私はまん丸のお月様を眺めた。 『…?』 その瞬間、いきなりグランと視界が歪んだ。私はゆっくりと後ろに倒れた。 『…な…』 歪んだ世界には、男の子がひとり私を見ていた。 そこで私は意識を飛ばした。