目前の巨人を見上げながら、流石の乙女も愕然とする。

魔物の頂点に立つ竜と相対した経験のある修内太でさえ、完全に呑まれていた。

「さて、魔女殿…」

紅がゴーレムを見上げながら私に言う。

表情にこそ出ていないものの、攻めあぐねているのは言うまでもなかった。

「俺は白旗の準備をしていないのだが…まさかそんな俺を責めはすまいな?」

「…あったり前でしょ…」

私はギリ、と歯を噛み締めた。

「降参なんて言ってみなさい…この世界で一生私の下僕として働かせてやるんだから…!!」