臆病な私でも恋はできるのか。





「いきなり雪柳さんに連れてこられたわけだけど…何が必要かな」


「そう…ですね…」



考え込むのも無理はない。

家具は揃っているし、キッチン用品も必要ない。

今のままでも生活するのには十分なのだ。

ただ少し殺風景なだけで…



「何か無くて困ったこととかありましたか?」


「…うーん…本当に必要なもの揃えられていて困らなかったんだよな…」


「そうですか…」


「あ、逆に沙織…えっと…沙織ちゃんは?」



一度普通のボリュームで出た声を引っ込め、辺りを見回しながら小さな声で私の名前を出す。


そっか、周りから見れば私が沙織ちゃんなんて呼ばれていたら可笑しいよね…