臆病な私でも恋はできるのか。




「俺の髪より沙織ちゃんの髪の方が大事だから先にドライヤーするね」



そう言ってドライヤーを始める柊くん。

これまで美容面で意識したことなんてほとんどなかったから別に平気なんだけど…

でも、頑張って丁寧に乾かそうとしてくれている様子になんだか嬉しくなってつい頬が緩んだ。



「んじゃあ、次俺の番ね」



乾かし終わったと思うと、手招きをされる私。

不思議に思いながら手招きされる方へ向かう。

そのまま柊くんの前に立たされた。



「うーん…やっぱり身長差が…」



そう言って柊くんは近くにあった椅子を出してきた。