「ただいま戻りました〜」
「沙織ちゃん!」
私が玄関を開けるやいなやひしっと抱きしめようと飛びかかってくる雪柳さん。
「まてまて。彰人じゃないのかよ」
そう言って私の前に立つ鷺草さん。
「だって!鷺草くんだけずるい!」
「そんなこと言ったら雪柳さんだってご飯運んでもらったり部屋で二人とかありましたよね」
「あ…ていうか、彰人は?彰人は怒らないの?」
くるりと雪柳さんが後ろを見ると、後ろからひょこっと顔を出す彰人くん。
「いや、俺は彼氏なんで。二人みたいにただの元同居人が沙織ちゃんとどうなるとかそういうの考えないんで…で、沙織ちゃん、何もされなかった?」
「彰人くん、信じてください」
「うん、信じるよ。で、どうやってバイクに乗せたんです」
今度は鷺草さんに聞く彰人くん。
「普通にだよ」
「へえ…そうですか」
「喧嘩しない!」
私が怒ると、彰人くんは少し拗ねた様子ではーいと返事をしていた。

