あたふたしながらハンカチを取り出し急いで濡れているところを拭く。
お、追いつかないかも!
どうしたら……
「ぬっ脱いで下さい!」
「え?」
ここじゃ恥ずかしいのか!そっか、じゃあ…
「こっちです!」
いつになく機敏に動きぶつかってしまった相手をひと気のない階段に連れて行く。
そこは屋上に繋がっているのだけど、この学校は屋上の扉に鍵がかかっていて入れないのでいつ来ても人が居ない。
だからたまに一人でお昼ご飯を食べにきたり……
ってそんなことは今どうでもよくて!
「あっあの、ここなら…大丈夫ですよね?あっあの!これ使ってくれて構わないので!」
自分が着ていたセーターと一つ前の授業が体育だったため持っていた体操服を渡す。
大きめのサイズを着ているから、多分男の人でも着れる…はず。

