その頃彰人は一人悶々としていた。 帰りの車内。浮かれる二人に切り出す勇気もなく家まで帰ってきてしまった。 眠そうにふらついていた沙織ちゃんを部屋まで送り、そのまま自分の部屋ではなく雪柳さんの部屋に向かうことにした。 コンコン… 「雪柳さん…ちょっと良いですか」 「どうぞー…」 みんなが寝静まった中、雪柳さんはまだ執筆作業をしていた。 「あ、邪魔しちゃったかな…」 「んー?大丈夫。思いついたことメモしてただけだから」 「そっか…」 「で?どうした?」