お互いに驚いた様子で挙句固まってしまった。 「…どうしよう」 やっと出た言葉がこれだ。 喉には違和感しかないし、手も大きい。 「あと…俺保健室に辿り着いた記憶がないんだけど」 「あ…そう…いえば」 「って、こんなに可笑しな事になってるのにそんなこと気にしてちゃだめだね」 気不味い空気が辺りを覆う。 少し張り詰めたこの緊張感がさらに私の焦りを高める。 「元に戻る方法…」 ぼそっとそう零すと、柊くんがこっちを向いた。 「元に…」 元に戻る方法…それは私が柊くんに恋をすること。