瑞希の家に着くと、瑞希の家族はとても歓迎してくれて…
瑞希から話を聞いたのだろう。
ママさんは、目に涙を溜めて「いつまでもいてていいからね。」と言ってくれ、
パパさんも弟の一希君も同様な事を言ってくれた…。
家族にこそ恵まれなかったものの、私はこんなにも親身になってくれる友人と友人の家族。
ただのバイトの小娘に、おいでと言ってくれる優しいご夫婦。
本当に恵まれていると思う。
だけど、皆の優しさに甘えていられない。
私は瑞希に借りたパソコンで、激安物件を物色していた。
「ねー!千愛ー!
本当に1人暮らしする気ー?
安いところなんか探せばいくらでもあるだろうけど…
安い所には安い所なりの理由があるんだよー!
女子高生が1人暮らしとか危ないってー!
家にいればいーじゃん!!」
ベットに寝転びながら、雑誌を読んでいた瑞希が言った。
「うーん。
その気持ちはすっごく嬉しいんだけどさー。
私にはあのダメ父の血が通ってるからこそ、甘えたらそのまま流されそうで、自分が怖いんだよ。。。
私はダメ人間になりたくないから、自立する!!!」
「はぁー。
ほんと千愛って頑固だよね…。
何言っても無理そうだね…。
それなら、1人暮らしよりもいい案があるんだけどー!」
意地になってる私に、瑞希が意味有りげな顔で言った。
「…?」
「ルームシェア!!!」
「…ルームシェア???」
「そう!最近流行ってるんだよ!
少し大きめの家でルールがある中で共同生活すんの!
わかり易く言えば寮みたいなもんだよ!」
そう言って瑞希は、ひょこっとベットから降りて私のとなりにくると、パソコンを奪いとり、SNSのコミュニティ掲示板を開いた。
そこには、
ルームシェアしませんか?
ルームメイト募集
一軒家で皆で住みましょう。
など、たくさんの書き込みがあった。
