前言撤回…一瞬でも優しさを感じたのはきっと私の勘違いだ。
「おい!お前、今から喰われるんだから、これはお前が残さず食えよ!
あっ!歯は磨けよ?ニラ食った後の口臭は臭いからな!」
そう言って、私に差し出して来たのは「ニラレバ炒め」…。
やはりコイツは私の事を餌や家畜としか思っていない…。
今、私は夜風千陽と夕食中だ。
先程、メイドさんが大量の中華料理を持って現れたのだ。
メイドさんは夕食の準備だけ済ませると、さっさと出て行ってしまったけど…。
「は?こんなに食べれないし…
てか女子にニラ料理すすめるって本当…無神経!
しかも歯磨けって!!本当にありえない!!
てかあんた、血以外も食べるんだ!?」
「馬鹿かお前は。
お前の親父も普通に飯食ってただろうが…。」
「確かに…。
でも、ご飯食べれるなら血なんていらないんじゃないの?」
「やっぱり馬鹿だな。
お前ら、炭水化物を一切取らなかったらどうなる?
エネルギー不足で倒れるだろーが。
それと一緒だ。俺達ヴァンパイアにとって人間の血はエネルギー源だ。」
「あんまり馬鹿馬鹿言わないでくれる?
ヴァンパイアなんて産まれてこの方知らなかったんだから、分からなくって当然じゃん。」
「お前…ヴァンパイアは朝に弱く、十字架、玉ねぎが苦手…とか思ってた口だろ!」
そう言う夜風千陽の顔は、心底馬鹿にした顔で笑った。
「は?思ってないし。」
クリスチャンの瑞希から、十字架のネックレスと聖書を借りて来たなんて口が裂けても言えなかった。
