「つまり、お前は元は純潔ヴァンパイアだったが、何らかの理由で今は只の人間になっている。
それは血を呑んだから分かりきっている。
しかも、容姿や完全に言霊が効かないことから推測するに、最初から人間として産まれたのではなく、途中で人間になったんだと俺は思う…。
………!
なぜ泣いてる。」
夜風千陽の話は終わり、
泣いてる私に驚きの視線を向けた。
ヴァンパイアにした裏切りとも呼べる、人間の卑劣な行動。
コイツは人間を下劣してるんじゃなく、恨んでる。
そして、何より…私は人間じゃないかも知れないと言う事実。
否定しきれない自分がそこにはいて…
父親が純潔のヴァンパイア…。
夜風千陽の話を聞いて、納得できることが私にはありすぎた…。
年齢を尋ねると、500何歳とふざけた答えしか返って来なかったこと。
私が歴史の勉強をしていると、「父ちゃん、この戦でたことあるぞ」など馬鹿げた事を言っていたこと。
見た目年齢がかわらないこと。
そして、定職に付かずいつも人目を気にしていたこと。
不特定多数の女性が常にいたのも、きっと餌としてだったんだと思う。
色んな事を一気に聞きすぎて、キャパオーバーだった。
「わかんない。
でも…わかんないけど止まんないの…。」
「悪かった。
急にヴァンパイアだと言われてもくるしめるだけだったな。
今のお前は人間には違いない。
安心しろ…お前は俺の餌で家畜である事は変わりない。」
そう言って涙流す私を、落ち着かせるように抱きしめ背中をさする夜風千陽の手は…温かくて…
憎まれ口を言われている筈なのに、その初めて見せる優しさにまた涙が溢れたんだ…。
