「ち…千愛…すごいね!」
部屋を案内されている中、瑞希が私の服の裾を引っ張って、耳打ちするように言った。
「ほんとだね…。どこかの高級ホテルみたいだよね。」
この家はメゾネットタイプの、マンションなのに二階建ての二層構造。
一階部分にあたる部屋はリビングと、キッチンダイニング…
そして、露天風呂付きの庭の様なバルコニー。
二階は、ルームメイトのそれぞれの自室で、各々一部屋ずつ鍵つきであるようだ。
「ここが、今空き部屋で…君に使ってもらうつもりの部屋だよ。
今はゲストルームとして使っているから殺風景だが…君の好きなようにしてくれていい。
ここは所謂プライベートの自室だから。」
そう言って案内されたのは…
とても広い部屋…
そう…学校の教室くらいの大きさ!!
そして…
大きなキングサイズのベッドに…
何インチ?と思う程の大きなテレビ。
ウォークインクローゼットに
トイレと浴室。
洗面台には洗濯機。
冷蔵庫にキッチンまで…
バルコニーもついていた。
高級デザイナーズマンションの1LDKの様な一室がそこにはあった。
「防音対策もしっかりしているから、彼氏を連れてきてくれても構わないからね。」
軽い冗談を言ったつもりなのだろうが…
部屋の豪華さにそんな冗談に構ってられるような心理状態じゃなかった。
「2人とも無言だけど、どうしたの?
他の三部屋も作りは同じだよ!
他の2人の部屋は今いてないから見せれないけど、僕の部屋覗いてみる?」
「…!!!」
「…!!!」
私と瑞希はシンクロした…。
ほぼ2人同時に、渾身の力で首を左右に振った…。
「アハハハッ。
ほんと君達面白いね!
そんなに僕の部屋見たくないのかー。
なんだか少し悲しいな。
部屋の紹介はこんなもんかな。
何か質問ある?
なかったら、下でルームシェアするにあたっての決めゴトを説明しようと思うんだけど?」
私達は、またシンクロし…
首を左右にブンブンと振った後、
首を縦にブンブンと振った…。
何かと強烈すぎて言葉が出てこなかった。
それは瑞希も同様みたいで…。
瞳孔の開いた猫のように、もともと大きな目を更に見開き目をパチクリさせていた。
