学校も終わり、私はバイトへ。
瑞希一度自宅に帰り、バイトの終わる21時頃にバイト先まで迎えに来てくれることになった。
家においでと声をかけてくれた、おじさんとおばさんには説明する義務があると思い、
お客さんがいない時にルームシェアの事を簡単に説明した。
「へぇー!見ず知らずの他人と共同生活か!
今はそんなもんがあるんだな。
危なくはないのか?
最近じゃ、インターネットで知り合って殺人事件とかもあるだろ?」
驚きながらも心配してくれるおじさん。
「私も、ルームシェアってものがいまいち分かっていなくて…。
だから今日説明聞きがてら、お家を見に行こうと思ってるんです。」
「そうなんだね。
私には、いまいちピンと来なくてよく分からないけど、千愛ちゃんはしっかりしてるから!
千愛ちゃんが考えて決めたことなら大丈夫だよ。
今日はそれなら、店も暇だし上がっていいよ。」
「えっ!?いいんですか?」
「構わんよ!もっと早く言ってくれたら、休んでくれても構わんかったのに。
なぁ母ちゃん!」
そう言ってくれたので、遅い時間に行くよりは早く行くにこしたことはない。
今回はおじさん達の好意に甘えることにした。
携帯を持っていない私は、お店の電話をかりて、瑞希に電話をした。
「あっ!瑞希?
おじさん達に事情説明したら、もう帰っていいよって言ってくれたから、早く来れそうなら来て欲しいんだけど…」
『そうなの?
でも今からご飯みたいだから、それだけ急いで食べてから行くよ!
できるだけ急ぐね。』
「うん。
わかった!でも急がなくていいからね!
待ってるから気をつけて来てね。」
「瑞希ちゃんはなんだって?」
電話を切り終えた私におばさんが尋ねた。
「今から夕飯みたいなので、それを食べてから来るみたいです。
なので瑞希が来るまではお手伝いしますね!」
「お客さんもいないし、手伝うことも今はない。
少しいつもよりは早いが、千愛ちゃんもご飯食べときなさい。
なぁ、母ちゃん!」
「えっ!?そんな!
途中で帰るのにご飯なんて・・・・・
大丈夫ですよ!」
「そうそう!
そんな事気にする必要ないから、ご飯を食べてから行きな。
今用意するから。」
そう言っておばさんは、今日のお店の日替わり定食を手早く出してくれた。
「ありがとうございます。」
私はおばさんが出してくれたご飯を頂き、
後片付けをしていたら丁度、瑞希がやってきた。
「待たせた?ごめんねー!
おじさん。おばさん。お久しぶりです!」
そう言って、瑞希はおじさん達にペコリと屈託のない笑顔で挨拶した。
「瑞希ちゃん久しぶりだね。」
久しぶりにおじさん達に会った瑞希と、少しだけ談笑をして、私達はお店を後にした。
「瑞希ちゃん。またうちにご飯だけでも食べにおいでね。」
出ていく時おばさんが瑞希に声をかけた。
「ありがとうございます。」
おじさん達も久しぶりに瑞希に会えて嬉しそうだった。
瑞希はやっぱり人を笑顔にする、素敵な魅力があるなと改めて感じた。
