瑞希が勝手にメールを送って5分…
返信が返って来た。
【ご連絡ありがとうございます。
喜んで歓迎します。
不安もあるかと思いますので、一度見学もしくは、短期間の仮入居でも如何でしょうか?
その時に、詳しくルームシェアのルール事などお話したいと思います。
こちらは平日であれば、18時以降。
休日であればいつでも構いませんので、日時決めて頂ければこちらの住所と連絡は文面最後に書いておきますね。】
「わぁ!すごくしっかりした人な感じだよー?
いいじゃんいいじゃん!
一回、見に行くだけでも!
なんなら私も着いて行くしー!」
なぜか、私よりも乗り気な瑞希…。
ダメ親父のせいで、私は普通の人よりも警戒心が強いほうだ。
確かに、文面は丁寧だけど、こちらの素性をほとんど明かしていないのに…こんな歓迎的なの…おかしくないか???
でも、私の事を思ってしてくれた瑞希の気持ちを無下にはできない。
「……見学くらいなら。」
そう答えると、瑞希は善は急げだ!とか言って、「明日見に行きます」と勝手にメールを送ってしまった…。
「私…バイトなんですけど…?」
「あっ!忘れてた!
代わりに私がバイト出てあげるよ!
もちろんバイト代は千愛がもらっていいよ。
なら大丈夫でしょ?」
瑞希は、バイト先のおばさんが入院していたとき、助っ人で一時的だけどしていたことがあった。
だから、代わりでバイトはお願いできるけれど…。
「そんなの、申し訳ないしいーよ!!
それに、見学1人で行くの不安だから着いて来て欲しいし…。」
「そっかー!
そうだよねー!これから、千愛が住むところだもんね?
私も一緒に見に行きたいかも!
そしたら、バイト終わりに一緒に行く?
ほら!さっき送られてきた住所!
千愛のバイト先から歩いて行けそうだよ?」
そう言って住所をみると、ほんとにバイト先から近かった。
「でも、そんな遅い時間に…失礼だよ!
土日もあるし日を改めよ?」
なんで、こんなに瑞希は焦ってるとも思える程急ぐのだろう?
いつもの瑞希なんだけど…
なんか少し瑞希に違和感を感じた…。
「ちはるさんに聞いてみよ?
OKなら明日行こー!」
そう言って瑞希がメールを送った…。
返事は、「構いませんよ」という事なので私はノリノリな瑞希に従うしかなくて・・・・・
明日のバイト終わりに、ルームシェアのお宅に見学に行くことになった。
まさか、この時…瑞希が既にアイツと会っていて…操られていたなんて、この時の私は知るよしもなかった…。
