私は何も言わずに男を見ていた




「なんだ?」


男は不思議そうに聞いてきた



「名前………何て言うの?」




「俺?俺は橘遥斗(タチバナ ハルト)」


「そうなんだ」


「お前は?名前」



「私は明道桜花」


「へぇ〜」



「ねぇ、橘は何歳なの?」



私が見るには20ぐらいに見てる



「何歳だと思う?」


ニヤっと笑って聞いてきた…


「20歳ぐらい?」



私がそう言うと橘はケラケラと笑いだした


「な、なによ!」


「ごめん、俺高校生だし」


え?


「高校生なの?」



「そうそう。ま、高校1回しか行ってないけど」


「えー?1回だけ?それで進級できんの?」

「まーね」


「どんな高校だよ(笑)」


「西高だよ」


え?嘘…………

「同じ高校だったの?」


「桜花も西高か?」


ま、まって。今名前で呼んだ?


「な、名前…」


「いいだろ、俺のことも名前で呼べ」

も、もしかしての俺様ですかー?


「分かった」


「よろしい」


「ねぇ?遥斗は何年?」


「秘密。いつか分かる」


「な、なんでー?教えてくれてもいいじゃん」


「じゃ、学校来いよ?」


「いやいや、行くのはあんたでしょうが!」


「ま、それもそうなんだけどな?(笑)」



不思議…遥斗と話してると安心する


「じゃ、俺は行くわ」


「う、うん。」


「あれ?寂しい?」



ニヤっと笑って聞いてきた遥斗…


「さ、寂しくないし」


ほんとは少し寂しい…



そんな事を思ってると遥斗がフッっと笑って

「またすぐ会える」


そう言った


「ほんとに?」


「あぁ、お前が生きてりゃーな」



「私もう死なないもん!」



私がそう言うと遥斗は安心そうに



笑った……