「優」
あの頃、君の名前を何度呼んだだろう。
「優」
あの頃、君がいるだけでどれだけ幸福を感じただろう。
「優、あの時からずっと伝えたかった気持ちがあるんだ」
ずっと後悔していたことを今伝えたい。
そう思う俺を優は
「嫌だ…聞きたくない」
頭を横に振って拒否をする。
「そんなこと言うなよ…聞いてくれよ」
「だって聞いたら…きっとあたし…」
いつの間にか目の上に溜まっていた涙は頬から流れ、
“功ちゃんが結婚したことを心から祝えないよ”
そう小さな声で呟いた。
「…それ今言うか?」
苦笑いで冗談に返しても優の曇ったままな表情を見て、
小さな声で発した言葉が優の本音だと気付いた。
そんな姿の優を見て俺の笑みも消える。
「優…」
「分かってる。
あたしが言える立場じゃないことなんて重々承知よ。
でもね、功ちゃん…少し本音を言うとね」

