昇降口に降りてきた私たち。
外を見ると、さっきまで降ってなかった雨が土砂降りで降っていた。
『えーっ、さっきまで降ってなかったのに…』
蓮くんは私を見て笑って言ってきた。
私は蓮くんに折りたたみ傘を渡した。
『蓮くん、家遠いんだから使って!私は大丈夫だから!』
『えっ…でもはるちゃんが濡れちゃう』
『アタシはいいよぉ!大丈…
私がいいかけた瞬間、蓮くんは私の手首を掴んで外に出た。
外に出ても雨は降ってなくて、蓮くんと傘の中に入っていた。
『蓮くん…?』
『こうすれば二人とも濡れないでしょ?(ニコッ』
そういって笑った蓮くんの笑顔が私の胸に突き刺さった。
『うんっ!』
『家まで送って行くから、今日は傘借りてもいい?』
『え、家まで送ってくれるの?』
『うん!もちろん!』
『あ、ありがとう!傘はいつでもいいよ!』
『ありがとう!』
