今回の期末と前の中間は大丈夫みたいだから今年の夏は香奈恵ちゃんも補習がなくて、テストが返ってきた後の香奈恵ちゃんは嬉しそうにしている。

 雑誌のページをめくる様子を見ていると水着が特集されているところで香奈恵ちゃんの手が止まった。

「もし海に行けたら一緒に水着を買っていこうね!」

「えっ」

 香奈恵ちゃんは笑顔でページに載っている水着を指差しながら私を見る。

 香奈恵ちゃんが指差している水着はフリルがついていて見る分には可愛くていいなと思う。

 だけど私には着る勇気が出そうにないビキニタイプで、「うーん」と首を傾げることしかできない。

「私はもっとお腹が隠れる水着がいいな……」

「えー、葵ちゃんならこういう水着も似合うと思うのに」

「ごめんね? こういうのは恥ずかしいし勇気が出なくて……」

「それじゃあ違うタイプの可愛い水着を選んであげるね」

 「楽しみ」と笑みを深める香奈恵ちゃんに私も口元を緩めて夏休みに意識を向ける。

 宿題をこなすのは大変だけど、香奈恵ちゃんと遊びに行けるかもしれない。そう思うと夏休みがとても待ち遠しかった。