「えぇーっ!」と一斉に響く声に先生はおかしそうに笑い声をあげたけど言い直すことはなく。
「先生、今までこの競技をペアで行ったことがあるのでしょうか?」
「前にあったらしいがもうだいぶ前みたいだ。この学校に長年いる先生しか経験がない。――おっと時間が押すからそろそろ始めるぞ。数字は走る順番だからその順番に並ぶこと。ほら全員駆け足!」
質問した他の組の人に先生はそう返す。
混乱している私達に先生は笑ったままスタート場所に行くように急かしてきたのだった。
***
ペアでの競技となったからグラウンドのレーンに並ぶのは五組の三列。
私と相原君は最終列になったけど正直最初になったほうがまだよかったかもしれない。
一列目の組がスタートして最初の障害物にたどり着いて、そこからもう出場者にとっては恥ずかしさと大変さが待っていた。
まわりは大盛り上がり、言葉が出ない出番を待つ出場者。
競技中の人は多分色々な物と戦いながら足を動かしているんだろうなと思う。
隣に座って待っている相原君の横顔もさすがに引きつっているように見えた。

