パンッと響き渡るピストルの音。

 その後を追うように人の声が一気に広がる。

「あーっ、惜しかったのに……っ」

「残念だったな相原。これでオレ達D組がトップだぜ?」

「くそっ、自慢しやがってよけいムカつくな……」

 眉を寄せて悔しそうに言う相原君とは反対に笑って話しかけるD組の人は余裕そう。

 騎馬戦の結果でC組は四位から三位に、D組は二位から一位に変わった。

 点差はそれほどひらいていないから逆転の可能性はまだある。

 頑張らなくちゃと緊張しながら座ったままで自分を励ましていると佐藤先生が待機していた私達のところにやってきた。

「次はいよいよお楽しみ種目の番だ。準備をしている間に出場生徒は組ごとにこの箱の中からくじを引いてくれ」

 この種目の出場者を決める時に行ったような方法に何だかあまりいい予感がしない。

 他の組も同じ組もみんな近くの人を見合いながら首を傾げたけれど、佐藤先生が「A組から引いて、引いたくじをまた折って箱の中に戻してくれ。それから名前が書いてあるこっちの紙に数字を書いてくれ」と促すとそろそろと戸惑っているように引いていく。

 私と相原君もC組の番になってそれぞれ引いた。

「三崎は何引いた?」

 素早く紙を開いて中を見た様子の相原君に私も紙を開いて中を見る。

 出場者決めとは違って書かれていたのは花丸ではなく数字が書かれていた。

「私は三みたいだよ」

「俺も三。だけどこれって何だろうな?」

 箱の中にくじを戻して二人で首を傾げ、三年生から渡された紙に数字を書いて一年生へと渡す。

 他のみんなも数字を言い合って首をひねっている。

 その中でE組までくじを引いて紙に書き、自分が何番を引いたか決まると佐藤先生はニッと笑った。

「今年は数字が同じ生徒同士ペアで競技を行う」