六月になって初めての日曜日。ついに今日は体育祭の当日だ。

 最近は梅雨が近いと毎日のようにテレビの天気予報で言っているけれど、今日は綺麗な青空が頭上に広がっていて体育祭日和。

 結局私が出る種目の内容は去年と同じように一部の先生と生徒しか知らなくて、短距離走とかお玉にピンポン玉をのせて走るとか想像での練習しかできなかった。

 だけど体育の時間と放課後の練習で香奈恵ちゃんが一緒に練習をしてくれたし、相原君も何回か一緒に練習をしてくれて二人には感謝の気持ちでいっぱい。

 少しでもいい結果を残したいなと思う。

 組ごとにグラウンドの中へと入場行進をして始まる開会式。

 校長先生の挨拶などが終わって生徒が一時退場、各組ごとに用意されたテントの一つに私や香奈恵ちゃん、相原君も他の生徒と一緒に集まった。

 リーダーの三年生がみんなを見るように視線をぐるりと動かして、教室で話し合いをした時のようにニッと強気そうに笑う。

「――優勝目指して頑張るぞー!」

「おーっ!」

 みんなが頼もしく見える笑顔を浮かべて大きな声で返事をした。

 離れているテントからも聞こえてくる大きな声に他の組もやる気いっぱいで、私は気を引きしめるように両手をギュッと握りしめた。