三時間目が終わってからの休み時間、水を飲みに香奈恵ちゃんと一緒に校内の水飲み場へと向かう。

 水飲み場にたどりつくとみんなが並んでいて順番に勢いよく出した水を飲んでいる。

 私と香奈恵ちゃんも違う列に並び、順番を待って水を飲んだ。

 三時間目をタイム計測で終わった私はそんなに飲まずに終わったけれど、香奈恵ちゃんはたくさん走ったようで水をいっぱい飲んでいた。

 次もグラウンドで授業をするため私と香奈恵ちゃんは水を飲み終わるとまた校舎の外へと向かった。


***


 日陰がある校舎の近くにしゃがむと香奈恵ちゃんは息を長く吐き出してグラウンドのほうを見る。

 視線の先を追いかけるとそこには他の男子と話している様子の相原君がいて、時々聞こえる笑い声に元気そうだなと思う。

「あーあ、何回挑戦しても勝てなかった! 相原くんが短距離走で学年二番目の速さだったなんて。学校祭での女装が似合うイメージしかなかった」

「私も先生から聞いてビックリしたよ。あと香奈恵ちゃんに嬉しいお知らせかもしれないんだけど、去年の体育祭で短距離走が一番速かったのは野中君だって」

「えっ! 本当っ?」

 グラウンドから視線を外した香奈恵ちゃんはキラキラしてるような目で見てきたので私は勢いよく頷いて先生から聞いた話を伝える。

 すると香奈恵ちゃんは花が咲いたようにぱぁっと笑う。