放課後、今日の日直だった私は日誌を書こうと掃除が終わった教室に一人席に着いていた。
ちなみに香奈恵ちゃんは家の用事があるからと先に帰っている。
もう一人の当番の人は体調不良――っと言っても微熱で大事をとってと言っていたから早くよくなりそうでよかった――で午後から早退してしまったので日誌は私が記入することに。
今日の授業が行われた教科や授業内容、それに対する感想やクラスの様子などを日誌のページに記入していく。
記入忘れがないかを確認した私は職員室にいるだろう担任の先生へと日誌を渡すため、日誌と鞄を持って立ち上がって教室を出た。
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五月だから夕方前の時間でも校内は明るいほうで、廊下の窓から外を見下ろせば運動部が集団で走っている。
運動が得意なほうではない私にとっては楽しそうにスポーツをする人がちょっと羨ましいけれど、どうしようもないから諦めている。
階段を下りて一階にある職員室に到着して扉をノック。
「失礼します」と声をかけて扉を開けて入室すると担任である佐藤先生はすぐに見つかった。
立っていた先生は私と目が合うと軽く手を上げて笑いながら近づいて来る。
「三崎、一人で日直をさせて悪かったな」
「午後からだったので大丈夫です」
短い黒髪にがっしりとした体格の先生は体育担当、いかにもスポーツマンという感じで顧問をしている部活もバスケ部で似合っていると思う。
日誌を渡し、帰ろうと思ったら「今度から気をつけます!」と大きな声が聞こえて視線がそちらに向かう。
近くの机に座っていた南谷先生の前で相原君が勢いよく頭を下げていた。

