体育祭の各競技への出場者を決めた翌日である今日、三、四時間目の二クラス合同体育の時間を使って競技練習をすることになった。
香奈恵ちゃんは希望通りに百メートル走への出場が決まり、私と同じ種目に出る相原君はリレーへの出場も決まっている。
リレーは体育祭の一番最後の種目で各チーム四人の出場者を決めて走る。
まだチームでの集まりはないけれど、相原君は同じチームになる三年生からリレーに出てほしいとすでに頼まれていたみたいで佐藤先生も知っていたから。
私達のクラスでリレーに出るのは相原君一人。
だけど体育が始まる前に他の男子にリレーの練習を手伝ってほしいと話していたから、体育の時間は他の競技に出る人と練習するみたい。
相原君みたいに複数の競技を希望した人は他にもいるけど私は一つでいっぱいいっぱいで。
指定ジャージに着替えてグラウンドに集まって授業開始の号令が終わると佐藤先生が説明していく。
「走るだけではない競技に出る人も自分の競技内容に近いところで練習すること。休んだり順番待ちの人はタイムを録ったりして他の人を手伝ってやってくれ」
「はい!」
みんなの返事に先生は満足そうに笑って「それでは始め」と練習の始まりを告げた。
ぞろぞろとみんなが歩き出す中、私は足を止めたままでまわりを見た。
私と同じ競技の人はどうするんだろう?
何が出るか分からないからどの競技の練習に混じっていいのか分からない。