すると紙を持っていた片手を両手でぎゅっと強く握るように包まれて体がピクリと動く。
恐る恐る顔を上げれば目を細めた相原君の笑顔があって。
手を離してもらえるよう包まれている手を動かしたけれど、相原君の温かくて大きな手は力強く私の手をさらに握る。
痛いほどではないけど、簡単には離せないほどに強い力で私は相原君の名前をぽつりと呼んだ。
「どんな中身がくるか分かんないけど頑張ろうな!」
相原君が顔をくしゃっと崩すように嬉しそうにこっちを見て笑うから。
運動が苦手な私でも少しは役にたてるのかな……?
後ろ向きな気持ちがちょっと薄れて頑張ってみたいと思えてくるから不思議で。
相原君の笑顔はまぶしいだけじゃなくて、人を元気にさせたり頑張ろうって気持ちにさせてくれるんだなと思う。
「てこぼこコンビ頑張れよ!」
「頑張れー」
「目指せぶっちぎりトップ!」
次々とみんなからかけられる言葉に「おう!」と明るく大きな声で返す相原君。
私は反対にまた不安な気持ちが増えてきて視線が下に動いてまだ握られている手に目が止まった。

