翌日もテストの答案用紙の返却が五時間目まで続いた。
前日のように上手くはいかず、返却二日目はついに赤点をとってしまった人がいて。先生が補習と再テストについて説明していた。
私の結果はクラスで上位。学年全体でも上の方でいい結果が残せてよかった。
五時間目が終わって休み時間になるとみんなの話題は一気に体育祭のことになっていく。
私の席のところに来た香奈恵ちゃんも「テストはまあまあだったよ」と言った後は体育祭の話になった。
「葵ちゃんは今年は何を希望する?」
「運動は苦手だからどれになっても同じかなぁ……」
去年は中距離走に出たけれど順位があまりよくなかった。
だからと言って選択競技にある短距離が得意でもないし運動全般が苦手。
正直どの競技も私には大変なもので困ってしまう。
「香奈恵ちゃんは今年も短距離走を希望するの?」
「そのつもりなんだけど出場人数に制限があるからどうかな? 去年はクラスに短距離が得意な人が少なくて出られたけど、クラスによっては希望が集中して速い順に決めたところがあるらしいよ」
競技によって各クラスの出場人数が決められているから集中する競技と希望者がなかなか決まらない競技があったりする。
中でも毎年内容が多少変わる競技が一つあってそれを最初に希望する人は少ない。
ユニークな内容で去年はとても盛り上がったけど出場していた人は大変そうだったな……。