席に戻ってふと横を見ると相原君が答案用紙を見つめたままの状態でいた。
目を大きく開いてじっと机に置いたテスト用紙を見ている。
驚いているような様子が気になったけどテストの結果を聞くのは失礼だと思うから私は声をかけずに前を向く。
やがて答案用紙をわたし終えた先生の話し声に耳を傾けた。
***
帰りのホームルームが終わればガヤガヤといつもの賑やかさが戻ってくる。
聞こえてくる声はテストの結果についてがほとんどだけど笑顔の人が多い気がする。
六時間目に南谷先生が嬉しいお知らせをしたからかもしれない。
今回、中間テストの国語の教科で私達のクラスは平均点が学年内で一番高く赤点の人がいなかった。
今のところ答案用紙をわたされた他の教科も赤点の人はクラスにいなくて。
そのお知らせに喜びの声が響いてすぐに注意されたけど嬉しいことには違いないから。
赤点だと補習をして再テストを受けないといけないから、一年生の時に部活に入っていたクラスの人が「部活休むのは絶対嫌だ!」って言っていた気がする。
みんなが喜んでいた様子を思い出すと私も嬉しくて顔がゆるんでしまう。
明日も国語みたいに嬉しい結果があればいいなと思いながら、椅子に座った状態で横――ドアがある方の壁に備えられている黒板を見るために顔を動かして私は気分が沈む。
黒板に書かれている時間割の中にある明日の六時間目はホームルーム。その時間は体育祭について、主に出場競技について話をすると帰りのショートホームルームで佐藤先生が言っていた。
明日の答案用紙の返却と同じかそれ以上に緊張して、考えるだけで寝つけなくなりそう。
寝坊しないようにスマホのアラームをたくさん設定しようと決めながら、私は顔を黒板から手元に戻して教科書やペンケースを鞄にしまっていった。