広い店内、たくさんの席にそれぞれ座って食事を楽しんでいる様子のお客さん達。

 笑顔の店員さんに案内されて私と香奈恵ちゃんも空いている席に座ると横にあるレーンに美味しそうなお寿司がのっていて流れていく。

「ここの回転寿司はデザートとかも美味しいんだー」

「そうなんだ」

 お寿司は好きだけどデザートはやっぱりもっと好きで、香奈恵ちゃんの言葉に私はワクワクする。

 一緒に来ているのが私が甘い物が好きだと知っている香奈恵ちゃんだから控えることをしなくても大丈夫。

 今日はお母さんからお昼代にとお小遣いとは別にお金をもらっているから楽しんで食べられそう。

 私と香奈恵ちゃんは目を合わせて笑い、二人ほぼ同時にレーンへと手を伸ばした。


***


「香奈恵ちゃんはお寿司が大好きなんだね」

「えっ、分かる? 実は甘い物も好きだけどお寿司とかお刺身も好きなんだ!」

 香奈恵ちゃんの前に積み上げられていくお皿の増える速さに心の中で驚いた。

 私は食べるのがあまり速い方じゃないけれど、香奈恵ちゃんは嬉しそうにニコニコとお寿司を次々に食べていく。