相原君とアドレスを交換してから数日が経つけれど、今のところ私が不安に思うようなことは何も起きていない。

 交換した日の夜、お風呂から上がった後に届いていた「何かあったらメールでもよろしく!」というメールに「私こそよろしくね」と返してそれっきりで、私が考え過ぎていただけなのかもしれない。

 そう思うと相原君に申し訳なくなってしまう。

 今日は休日、私は自分の部屋でベッドの端に座ってそんな風にぐるぐると考えていた。

 座った場所から見える勉強机と隣に置いている本などを入れている棚には可愛いぬいぐるみがいくつも並んでこっちを見ている。

 街に出かけた時にお店で見かけて気に入った物があると時々買ってくるぬいぐるみは数が増えていて、そろそろ新しい置き場所を考えないといけない。

 身長がどんどん伸びてもぬいぐるみとかの可愛い物が好きなところは小さい頃から変わらなくて、いつからか「見た目のイメージと違うね」って同じクラスの人達に言われることが多くなった。

 中学校に入学して間もない頃に指定鞄につけていた可愛いキーホルダーは一つまた一つと数を減らしていって、中学二年生になる頃には鞄にキーホルダーなどをつけるのを止めた。

 高校生になってからもそれは変わらないと思ってたけど、それは香奈恵ちゃんと出会って少し変わった。

 香奈恵ちゃんからもらったクマのぬいぐるみがついたストラップは一年生の時から私の鞄についている。

 香奈恵ちゃんも色違いの物を鞄につけて、「可愛いおそろいでしょ?」と笑顔で言ってくれた時にはとても嬉しかった。