ラグタイム

「今、“性別”って言わなかったか?」

不思議そうに言った武人に、あたしは両手で口をおおった。

しまった!

うっかりしてた!

「えーっと、その…」

あたしは必死で言い訳を考える。

「あ、兄貴は家事が得意だったから、その…えーっと…」

どうしよう…!

何て言ってごまかせばいいんだよ…。

うっかり言ってしまった言葉はどうやっても戻すことができない。

「ああ、朝貴の性別が男じゃなくて女だったらよかったってことか」

武人がわかったと言うようにポンと手をたたいた。

「えっ…ああ、そうそう!

そう言う意味で言ったんだよ!」

あたしは武人を指差すと、首を縦に振った。