ラグタイム

やることがないあたしは赤川さんの掃除が終わるまで厨房で待っていようと思い、ホールを後にした。

それにしても改めて厨房を見回して見ると、本当に広いなと思う。

まるでちょっとした実験室みたいだ。

キレイに洗われたグラスが照明に照らされて、キラキラと光っていた。

「終わったぞ」

赤川さんが厨房に現れた。

シンクの下にあるドアを開けると、そこから包丁とまな板を出した。

「じゃあ、始めようか」

赤川さんが言った。

「はい、お願いします」

あたしが頭を下げて言ったら、
「何かちょっと堅苦しいな」

赤川さんが言った。