ラグタイム

今の今まで若頭だ若頭だとバカにしてきたけど、本当はいい人だと思った。

藤本さん、今からあなたについて行きます!

感動に浸っていたその時、グーッと変な音が聞こえた。

「ああ、俺だ」

藤本さんが手をお腹に当てた。

「朝から知り合いのところに行ってたから何にも食べてなかったんだ」

そう言って藤本さんは照れたように笑った。

へえ、藤本さんもお腹が減って鳴る時があるんだ。

人間だから当たり前だろうと言う話だけど、彼の意外な一面にあたしは優越感を感じた。

「おにぎりでよかったら、今出しますけど」

そう言ったあたしに、
「じゃあ、それで。

何も食わないよりかはまだマシだ」

藤本さんが言った。