ラグタイム

「心配するな」

藤本さんが言った。

「朝貴を必ず見つけ出して、必ず連れ戻してやる。

あいつが“戻らない”って言ったとしても、戻るように俺が説得する。

もしかしたら、俺にも相談できないような理由があったのかも知れない」

藤本さんがポンとあたしの頭のうえに手を置いた。

「ホントですか?」

そう聞いたあたしに、
「ああ、本当だ。

それに、夢の話なんだろ?

夢で起こった出来事が現実になるとは限らない」

藤本さんが答えた。

「わかりました」

あたしが返事したのを確認した後、藤本さんは手を離してくれた。