ラグタイム

ダウンロードしたパズルゲームで藤本さんがくるまでの時間を潰していたら、チャイムが鳴った。

「おっ、きたか」

あたしはスマートフォンをテーブルのうえに置くと、玄関へ向かった。

ガチャッとドアを開けると、
「休みのところ、すまなかったな」

そう言って入ってきた藤本さんの格好はスーツじゃなかった。

半袖の白いシャツにブラックジーンズ、そのうえから黒いベストを羽織っていた。

袖から伸びている腕は白く、たくましかった。

オールバックにしている髪は下ろしている。

何だか別の人を見ているみたいだ。

「何見てるんだ?」

藤本さんに言われて、あたしは彼に見とれていたことに気づいた。

「えーっと…てっきりスーツでくるんだと思っていました」