暗闇の中をあたしは歩いていた。

ここは、一体どこだろう?

あたしは何でここにいるのだろう?

どこまでも続いている暗闇をさ迷うように歩いていたら、ジッ…と言う音がして目の前に小さな灯りが灯った。

あの灯りは何なのだろう?

そう思いながら上の方に視線を向けると、街灯が光っていた。

何だ、街灯の灯りか。

ホッと胸をなで下ろしたのと同時に、街灯の下に誰かがいることに気づいた。

誰がいるんだろう?

そう思いながら歩み寄ったら、その人物に驚いた。

「――あっ…」

間違いなかった。

「――兄、貴…?」