「お前ンところも大変だよな。

ある日突然、従業員が失踪しちまうなんてよ」

雄大が同情するように言った。

「まあな」

俺は息を吐いた。

「あいつらには、朝貴が1人で失踪したと言ったから大丈夫だ。

本当のことを知っているのは、今のところ俺と雄大と黒崎さんの3人だけだ」

「なるべく、早く探し出してやるからな」

「ああ、頼んだよ。

遅い時間に悪かったな」

「お互い様だ。

んじゃ、おやすみ」

雄大が電話を切った。

俺は画面をタップして電話を終わらせると、息を吐いた。