彼の言う通り、今年のゴールデンウィークはラッシュが激しかったとニュースの話題にもなっていた。

「よく策略を考えてるなって感心しちまったよ。

捜索の手から逃れるために、あえて人の行き交いが激しいこの時期を狙ったって感じだ。

おかげでどうすればいいのか頭を悩ませてるよ。

まあ、続けて行くけど」

「ああ、悪いな」

「そっちはどうだ?

確か、身内のヤツが代わりに働くことになったって言ってたよな?」

そう聞いてきた雄大に、
「ああ、今日から早速働かせてるよ」

俺は答えた。

「まだ、バレていないんだよな?」

続けて聞いてきた雄大に、
「今のところはな」

俺は答えた。