敬語で話すのはやめないって、じゃあどうすればいいんだ?

そう思ったあたしに、
「僕の方が年下だから、年上の人に敬語を使って話されるのは変な感じがするって言うか…。

お兄さんもそのことをよくわかって、タメ口で会話をしていたから…」

青山くんが言いにくそうに言った。

「ああ、そう言うこと」

あたしは納得したと、首を縦に振ってうなずいた。

「わかった、今からフツーに話すよ。

だけど、兄貴は君のことをどう呼んでたんだ?」

そう言ったあたしに、
「“翼”って、呼び捨てで」

青山くんが言った。

「じゃあ、そうする。

では、ご指導はお手柔らかに」

あたしは笑いながら言った。