「えっ…た、武人…?」

抱きしめられたあたしはどうすればいいのかわからなくて、戸惑った。

と言うか、何で抱きしめてきたの?

戸惑っているあたしに、
「どうしてだろうな」

武人が言った。

「女なんか嫌だったはずなのに、恋なんてなおさらだったはずなのに、どうしてだろうな」

「武、人…?」

彼の腕の中で名前を呼んだあたしに、
「お前がいなくなってから、俺はお前のことばかり考えるようになった。

朝貴と同じ顔のお前が俺の頭の中を占領していて、どうすればいいのかわからなかった」

武人が言った。