あたしは笑うと、
「こんなあたしと仲良くしてくれて、本当にありがとうございました」
と、言った。

お礼を言い終わった後で、深呼吸をした。

次にあたしが武人に言うことは、自分の気持ちだ。

ありのままに、正直に気持ちを言えばいい。

例え武人があたしのことを許していなくても、それこそ振られても構わない。

あたしは唇を開くと、
「あたし、武人のことが好きでした」

口を動かして、音を発した。

「無愛想で厳しくて、だけどその分温かくて優しいあなたのことが大好きでした。

例え武人があたしのことを許してくれなくても…」

あたしの言葉をさえぎるように、武人があたしを抱きしめてきた。