ラグタイム

「あたしがいつチンタラしたって言うんですか!?」

勝手に腕をつかんで引っ張ったのはそっちじゃないか!

そう言い返したあたしに、
「夕貴さん、早く」

黒崎さんがあたしと藤本さんの間に割って入った。

「えっ…ああ、はい…」

返事をしたあたしに、
「今だってチンタラして…」

「藤本さん、彼女の着替えが終わったら注意をしてくださいな」

言い返そうとした藤本さんを、黒崎さんがさえぎった。

心の中で藤本さんに向かってアカンベーをすると、あたしは更衣室があると言う厨房へ入った。

更衣室のドアを開けると、縦長のロッカーが4つ並んでいた。

「えーっと…あたしは兄貴のロッカーを使えばいいのかな?」

そう呟きながら、あたしはロッカーの前に書いてあるプレートで名前の確認をした。