ラグタイム

「もうこんなところ出て行こう。

彼らは反省もしていなければ、心配もしていなかったんだ」

そう言った兄貴に、
「あ、朝貴さん…」

静絵さんは戸惑っている。

「朝貴、落ち着け」

藤本さんが兄貴を止めようとした。

「そうだ、感情に任せて行動するのはよくない」

武人も兄貴の前に歩み寄ると、止めに入った。

あたしと翼はこの状況にオロオロしているだけで、何もすることができない。

こうなった時の兄貴は誰の声にも耳を傾けないからなあ…。

目の前の状況に戸惑っていた時、
「ごめんなさい!」

その声に視線を向けると、静絵さんのおばあさんとお母さんが頭を下げていた。