「どの道、明日になれば全てわかることだ。

朝貴がどうして黄瀬さんって言う人と関わることになってしまったのか。

何故、大輔さんの前から姿を消さないといけなかったのか。

何があって、黄瀬さんと一緒に逃げることになってしまったのか。

みんな明日になればわかることだ」

そう言った武人に、あたしは首を縦に振ってうなずくことしかできなかった。

「結果的にはどうなるか俺にもわからないけど、大輔さんが朝貴をクビにしないことだけを祈っていよう」

だけど、もし兄貴がクビになってしまったらどうするの?

その疑問を武人に投げつけたかったけど、やめた。

武人は藤本さんでもなければ、兄貴でもない。

「とりあえず、ここにいても暑いだけだ。

早く帰ろう」

そう言った武人に、
「じゃあ、また明日」

「ああ、明日な」

あたしたちは別れたのだった。